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北見市・産業用大麻栽培特区 2008年8月8日認定

国の構造改革特区の制度に、産業用大麻栽培特区の申請を3度挑戦したが、厚生労働省の分厚い壁は、なかなか突破できず、「ダメ・ゼッタイ、ダメー」という現行の薬物政策の延長でしかなかった。


EUやカナダ、最近解禁したニュージーランドやフィンランドでは、産業用大麻(THC成分が低い品種の大麻草)とマリファナになる大麻(THC成分が高い品種の大麻草)の区別をして、管理する制度設計をしているのに、日本はそれができていないのが現状である。


国がダメなら地方でなんとかしなければならない。
その想いが形になったのが国の構造改革の北海道版のチャレンジパートナー特区に申請してそれが認定されたのである。


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道は6日、国の構造改革特区の北海道版「北海道チャレンジパートナー特区」に、 北見市の「産業用大麻栽培特区」を認定した。 麻薬成分が低い大麻の建築用資材などへの活用に向け、道が支援する。 チャレンジパートナー特区は2004年度に始まり、これまで4地域が選ばれている。 今回の北見市の特区は、遊休農地を利用した大麻栽培体制の確立が目的。 輸入や国内流通が厳しく規制される大麻種子を確保するため道が検査態勢の整備など支援する。 道は8日、市に認定書を交付する。
引用:北海道新聞
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その特区の詳しい中身は、下記の通り。

北海道版構造改革・地域再生特区(北海道チャレンジパートナー特区)に係る計画認定について

平成20年2月14日付けで北見市から申請のあった次のチャレンジパートナー特区に係る計画を認定しましたので、公表いたします。

主体  北見市 
 計画の名称 北見市産業用大麻栽培特区
 計画の概要  産業クラスター研究会オホーツクでは、建設業から新分野の事業として「産業用大麻(麻薬成分の極めて少ない大麻)の栽培に着目。安定的に種子を確保する道筋を付けたのち、建材や食品等に加工・販売など早期の事業化を図るとともに、これらの取組による農業後継者の確保や地域の雇用の創出、新たな企業進出など地域の活性化を図る。
 道に改善を求める支援措置等の内容 〇特定プロジェクトチームの創設

産業用大麻栽情事業の推進にあたり「特定プロジェクトチームjを創設し、麻薬成分が皆無もしくは著しく低濃度である大麻の裁培体制の確立等について検討する。

・ (THC)成分検変体制の確立
・新たな特用作物としての栽培体制の確立や新産業の創出等に向けた務課題の整理
 認定年月日  平成20年8月8日


なお、上詑チャレンジパートナー特区は、認定第5号です。
北見市のチャレンジパートナー特区計磁は、以下をご覧ください。


北海道チャレンジパートナー特区計画


1北海道チャレンジパートナー特区計画(以下「計画」という。)の作成主体の名称
  北見市

2北海道チャレンジパートナー特区(以下「特区Jという。)の名称
  北見市産業用大麻栽培特区

3特区の範囲
 北見市全域


4特区の特性


 平成18 年3 月5 日、北見市・端野町・常呂町・留辺草町 の1 市3 町が合併し、人口約13万人のオホーツク圏最大の中核都市として、新生「北見市」が誕生した。本市の総面積142.756 h aは、東京都の65%に相当し、北海道内では第1位、全国においても第4位の広大な商積を有している。
本市は、四季折々の豊かで鮮やかな自然とオホーツクブルーの空を背景に、美しい街主主みが広がり、地震や台風など災害が少なく、日照率が高いという特性を有し、住みやすさと潤い、そして快適さを実感できるまちである。


 本市は、恵まれた自然環境とそれに関わる農林水産業などの第一次産業を基盤とし、木工・鉄工・食品加工業を中心とする地場産業と、電子部品製造業などの工場による第二次産業が形成され、さらに商業やサービス業の拠点として周辺町村の購買力を吸収する第三次産業が伸びてきた結果、オホーツク圏の中核都市として発展してきた。北海道全体の収支は大きなマイナスであるが、オホーツク地域においては、対道内ではマイナスであるものの対本州ではわずかではあるがプラスを示している。


 このようにオホーツク地域は外貨獲得力があり、潜在的な可能性を秘めている地域であることから、域外市場から外貨を稼ぎ出し、それを「産消連携」により内部循環を促進する仕組みをつくりあげていくことが今後の課題といえる。
 一方で地域経済を下支えしてきた公共事業が減少傾向にあり、また産業構造の高度化や人口減少社会の到来など、本市を取り巻く環境が変化していく中で、地域経済の活性化を図るには、自立した経済構造に転換していく必要がある。そのためには、内部循環の仕組みを構築するとともに国際市場を含む、域外市場をターゲットとした産業振興を一層推進する必要がある。


5計画の意義


(1)現状等

 公共事業の縮減が進められている今日、北見地域の基幹産業である建設業界は、食業存続のために急速な業態転換を求められている。また離農や減反政策による耕作放棄地は道内に1万ヘクタールにおよび、休耕地を含め、畑としての価値を急速に悪化させている。


 一方、硝酸性・亜硝酸性愛素による地下水汚染が網走・胆振・空知・十勝・渡島支庁など道内の畑作地域を中心とした広い地域で確認されており、特に網走支庁の超過率が他支庁に比べ高い傾向にあり、濃度も高い状況である。北海道が網走支庁管内で行った主要イオン類の分析結果などから、主な汚染原因は窒素肥料の施肥に由来すると想定されている。


 こうした中、産業クラスター研究会オホーツク「麻プロジェクト」では平成14年4月、産業用大麻の栽培加工によるビジネスの可能性調査に着手し、これまでに国内外の先進地視察、講演会、学習会のほか、産業用大麻を原料とした新商品の関発や事業化の可能性にかかる調査研究を進めてきた。


 また、経済産業省による広域市町村闘産業振興ビジョン調査モデル事業指定地域として全国で最初に採択され、平成18年9月、「北見地域産業振興ビジョン」が策定された。同ビジョンの中で北見地域は、f地域資源を最大限活用し、地方経済の自立に向けた意欲的な取り組みを進めていくことが必要である。」とされ、地域特性を活かした産学官連携の強化、地場産品の販路拡大、広域的な観光振興策の強化など具体的なおのプロジェクトが示され、その一つとして「遊休農地を活用した産業用大麻の栽培及び建材等の開発が位置づけられた。


(2 ) 意義


 1年生植物であり、110 日で4メートルにも成長する大麻による工業製品の製造は、脱石油社会の実現に向けて、また二酸化炭素の固定化としても極めて有効である。


 農業の次世代作物としての可能性は同時に、畑に隣接した工場で工業製品を製造することが可能であり、建設業界の業態転換と雇用の確保が促進されるものとなる。


 石油でできる工業製品の大部分は大麻でできるとも言われており、脱石油社会を目指す欧州のみならず、カナダやオーストラリアでも近年生産量は拡大している。


 また工場生産のために500ヘクタールをワンロットとするならば、北海道という地域特性を於いて他になく、その中にあって特に北見地域こそ最もふさわしい場所である。


 更には、オホーツク地域は道内にあっては硝酸性蜜素過多の土壌にあり、産業用大麻が必要とする土壌とマッチし、クリーニングクロップとしての効果が期待でき、このことは道立農業試験場の試験栽培を通して実証されている。


(3 )課題等


〇事業化(大規模栽培)のために必要な種子の輸入


 国内における産業用大麻の耕作荷積は10ヘクタール程度に過ぎず、栽培者等が新規に工業製品の製造を目指すような大規模な栽培を行おうとする際には、種子の入手は輸入に頼らざるを得ない。
 しかし、種子の輸入にあたって、加熱等による発芽不能処埋そを施すことが「輸入公表」により規定されているため、担い手産業が北海道知事より栽培許可を受けているにもかかわらず事業化を視野に入れた栽培は事実上不可能な状態となっている。


 こうしたことから、国が設けている「特区、地域再生、規制改革、公共サービス改革集中受付月間(平成19年度春期)において「産業用大麻種子の輸入規制緩和」に関する要望を行ったが、厚労省・経産省ともに「乱用の危険性、違法栽培の助長Jなどを理由に規制緩和の対応不可との回答となっている。


〇国内産種子の確保に必要なテトラヒドロカンナビノール(THC)成分検査体制の確立


 産業クラスター研究会オホーツクでは、平成17年7月、大麻栽培免許を会員が取得し、国内産無毒大麻による産業用大麻の試験栽埼を平成18年度から行っているが、収穫した穣予の作付けを行うためには、そのTHC成分が原種と変化がないこと(無事)を証明することが必要となっている。


しかし、道内の試験研究機関には、成分検査のための標準体(もしくはデータ)がないため、検査することができない状況となっている。


〇新たな特用作物としての栽培体制の確立や新産業の創出等に向けた諸課題の整理


 我が国においては、マスメディアの報道などにより、「大麻j イコール「乱用、違法栽培」という犯罪性を帯びたイメージが先行しているため、社会的に大麻の存在意義は認知されていないが、産業用大麻には、加工品の原料として様々な可能性が秘められている。


しかし、新たに農業として、遊休農地を活用するなどして取り組むために必要となる栽培体制の確立や、さらには、収穫後の繊維成分を加工する新産業の創出・建設業ソフトランディングなど、将来的な起業の可能性等について、広域・公益約な観点からの意見交換を行う場がないことから、産業用大麻の事業化に向けた取級は、新たな段階に進んでいない。


 このため、北見市としては北海道版機造改革・地域再生特区の特例措置である「特定プロジェクトチームの創設j により、国内産無毒大麻の栽培体制の確立や新産業の創出等に向けた課題の整現、その他支援方策の検討など、について、北海道の協力を得たいと考えている。


6計画の目標


 産業クラスター研究会オホーツクでは、建設業から新分野への事業として麻薬成分の極めて少ない産業用大麻を遊休農地等で栽培し、建材や食品等に加工・販売することを目指している。


試作品の各穂試験の実施や事業化調査等は既に終了しており、安定的に種子を確保する道筋を付けたのち、一次加工を行う工場建設を検討し、早期に事業化を目指すものである。


(1)種子の確保
 栃木県では栃木祭農業試験場が1982年に白木種の無毒アサ「とちぎしろ」を育成した。現在栃木県の栽培種はこの「とちぎしろ」に限定されている。また、欧州では政府がヘンプの種子管理の権限を委託している穂子会社もあり、種子はそこでTHC成分の低い産業用麻の品種の開発、栽格品種の発芽率の高い種の開発、品種改良等をはじめ管理し、ヘンプ農家はそこから購入しなければならないシステムを取っている国もある。
 この事例からも大規模農業をする上は安全で発芽率を含めた品質の高い種を安定的に確保することが重要となり、それら管理システムの構築が必要となる。


(2 )一次加工工場建設の検討
 2次加工としてはすでに建材ボードの試作品製作で、連携が構築しているところである。しかしながら生産工場建設のための設備ラインを設計製作できるような技術力は、当該地域には農業機械製造工場などを除くと皆無に近いといわざるを得ないのが実態であり、工業化ラインの製造会社との協力関係を構築する必要がある。


7 計画の実施が特区に及ぼす地域活性化の効果


(1)農業


 オホーツク地域における農業は畑作、園芸、費者農・資産及び水稲も若干あり、北海道農業の縮図とも言える形態である。こうした中、長年にわたり「甜菜、馬鈴望号、小麦」の畑作3品と「たまねぎ」を加えた基幹作物に次ぐ、「次世代作物」の必要性が叫ばれてきた。


しかしながら今日、基幹作物そのものの不安が拡大しているのが実態である。ビートは砂糖の消費の落ち込みに加え、ブラジルやキューパからの輸入砂糖はクリーニングしでもなお価格は閣内産よりはるかに安価であるといった状況を背景として、中小規模畑作経営体は経営悪化が深刻化し、離農や減反政策などに起因する耕作放棄地は道内に1万ヘクタールにおよび、休耕地ぜそ含め畑としての価値を急速に惑化させている。


 そのような中で、産業用大麻を栽培することにより展開される可能性は、非常に大きいと考える。春に穫をまくと、110 日で3〜4 メートルに成長し、農薬化学肥料等を必要としない為収棄が安定し、加えて作業負担が続く、更には、産業用大麻栽培後の小麦は通常の1割増の収援を得られるとのデータもある。こうしたことは中小規模畑作経営体の所得確保として、また次世代の担い手、後継者が誇りと生き甲斐をもって農業に参画できることにもつながるものである。


また、オホーツク地域は道内にあって硝酸性愛素過多の土壌にあるが、産業用大麻が必要とするこt壌と大変マッチし、クリーニングクロップとしての効果も期待でき、顕在化する飲用井戸水の汚染対策としても非常に有効であると考えられる。


(2 )工業


 財政の悪化による急速な公共事業の縮減に伴い、建設業の崩壊が顕在化している。業態転換の奨励が延長められるなか、農業分野への転換と問時に皮業用大麻による工業製品の製造は、地域の雇用の創出と新たな地域の自立戦略として、これまで禁止作物であったことが幸いして、国内的には競合の少ない独自の展開が期待されるものと考える。


特に、工場としての適正規模と通年稼動規模を鑑みると、栽培面積は1ロット500ヘクタール程度であり、北海道の地域特性に合致する。
また、既に欧州自動率メーカーでは大麻繊維が内装に使用されていることからも、現在北海道がカを注いでいる自動車関連企業の誘致と相まって、市域への企業進出への足がかりとしても期待できる。



8特定事業の名称

特定プロジェクトチームの創設

9特区において実施し又はその実施を促進しようとする特定事業に関連する事業その他の計画の実施に関し市町村等が必要と認める事項


(1)産業クラスター研究会オホーツクによる取り組み

 北見地域を中心としたオホーツク圏の産業が発展し、自立する経済基盤を確立するため、産・学・官等が協力して、専門的立場から研究を行い、核となる産業の創出及び成長のための務方策を検討することを目的に平成9年4月に設立された「産業クラスター研究会オホーツクjでは、平成14年より産業用大麻を利用した製品の開発等の調変研究を主体的に進めており、今後も当該研究会が中心となり、学習会をはじめ事業化の検討などを行う。


(2) 経済産業省・北見地域産業振興ビジョン」に基づく事業推進

同ビジョンにおいても産業用大麻を利用した建材等の開発について推進することと位遺づけられており、また産学官連携による先端的な技術開発等を通じて新事業創出を進めることが重要であるという視点に基づき当該事業安推進するものである。


別記様式第1号(第1条関係)

別紙
1特定事業の名称
特定プロジェクトチームの創設

2 当該特例措震等の適用を受けようとする者
産業クラスター研究会「オホーツク」会員

3当該特例措置等の適用の開始の日
北海道チャレンジパートナー特区の認定を受けた日


4特定事業の内容
北見市における産業用大麻栽培事業の推進にあたり「特定プロジェクトチーム」を
創設し、麻薬成分が皆無もしくは著しく低濃度である大麻の栽培体制の確立等につ
いて検討する。


5当該特例措援等の内容
(1)検討テーマ
O 国内産種子の確保に必要なテトラヒドロカンナビノール(THC)成分検査体制の確立
O 新たな特用作物としての栽培体制の確立や新産業の創出等に向けた諸課題の整理
(2 )北見市の対応
北見市としては産業クラスター研究会オホーツク等と逮携し、下記のような調査、研修を実施する。
@ 国内外先進地における産業用大麻種子の管理方法についての調査(随時)
A 関係法令の学習会(年複数回、随時)


注特定事業ごとに作成すること。


引用:北海道版構造改革・地域再生特区に係る計画認定についてhttp://www.pref.hokkaido.lg.jp/NR/rdonlyres/D9843271-6186-49C2-B766-DA0D89C9E07A/0/kitamininntei.pdf 201051日参照
※リンクが切れていなければ、PDFファイルで欲しい方はこちらからダウンロードできるとおもいます。



特区での検討結果


北海道での1000ヘクタール、1万ヘクタールに向けた大規模栽培の課題を明確にして、それぞれの課題に対して、北海道庁がどのように対応できるかを協議した。
ところが、すべての課題に対して、「法律的に難しい、人がいない、予算がない」の回答となり、実質的に全く進展がしなかったのが実情である。
残念なことに、海外では、とっく(特区)の昔に解決できていることを、全く解決できない行政機構であることが明らかになったのである。